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※文字数オーバーになったため、何回かに分けて投稿します
個人の勝手なイメージで「もしもエレクトーンが人間の姿をしていたら…」と考えたものであり、ヤマハ本社様及び関係者様とは一切関係ございません。
大丈夫!という方は、追記よりお楽しみいただければ幸いです…
あれから何年かの月日が流れ、中学生になった少女は、ついに新しく上位機種のエレクトーンを買ってもらえる事になった。
これまで使っていたEL-70は中古品として店に持っていく事になった。
EL-70を運ぶ日の朝、少女は最後に電源を入れた。
70が現れた。
「おはよう」
「おはよう、お兄ちゃん。…今日でお別れ、だね」
「…そうだね」
70が答えたあと、しばらく沈黙が流れた。
やがて、70が言った。
「…最後に僕で何か弾いてほしいんだけど、いいかな?」
「…いいよ!」
少女は笑顔で答えると、フロッピーを挿し込んだ。
そして、EL-70用のデータで初めて弾けるようになった曲を演奏した。
演奏の間、彼女は今までの事を色々と思いめぐらせた。
70に出会ってエレクトーンを始めた時の事、70の機能不足に文句ばかり言っていた時の事、初めてエレクトーン用の曲集を買って練習した時の事、専攻楽器をエレクトーンに変えたくて泣きさけんだ時の事、エレクトーンで初めてステージに立った時の事…そして、70との何気ない会話――。
演奏が終わり振り返ると、70が泣いていた。
「ちょっ、何泣いてるの~!?」
「ご、ごめん…もう、君に弾いてもらえる事がないのかと思うと、寂しくて…、さ、寂しいよ…っ」
70は子供のようにしゃくりあげて涙を流す。
「もぉー、お兄ちゃんは泣き虫だなぁ」
少女は手をのばし、70の頭をなでた。
いつか自分がそうしてもらったように。
「…お兄ちゃんはどこか抜けててちょっと頼りなくて、でも優しくて明るくて…私はそんなお兄ちゃんが大好きだったよ。楽しい時でもつらい時でも、お兄ちゃんはいつでも私の気持ちに寄り添ってくれたよね。…本当に、ありがとう!」
少女は70の手をとり、にこっと笑いかけた。
70は更にぽろぽろと涙をこぼした。
「ぼ…僕のほうこそ、今まで使ってくれて、弾いてくれて…ありが、と、…っ」
「あ~もう、涙ふきなよ~」
少女に言われて、70は何とか涙を拭った。
そして、少女の手を握り返した。
「…新しいエレクトーンでも、楽しく演奏してね」
「うん」
「これからも…応援してるからね!」
「うん!」
やがて、トラックの音が近づいてきた。
「じゃあ、そろそろ…」
少女はそう言うと、電源ボタンのそばへ手を近づけた。
「うん。…また、どこかで会おうね」
「うん。…じゃあ、またね」
こうして、彼女のEL-70との生活は幕を下ろした。
EL-70が運び込まれたトラックが発車すると、少女は小さく手をふった。
(…またね、私の“お兄ちゃん”)
――防音室に戻ってきた少女は、うるんだ目をこすり、新しいエレクトーンの電源を入れた。
後書き
こちらの記事に書いた事などをもとに脚色や空想も交えて書いてみました。
もしエレクトーンを始めた時に擬人化さんがいたら、こんな感じだったのかなぁ…
だとしたらやっぱり70は“お兄ちゃん”みたいな存在だったのかな…
そんなふうに、70が小さな子にお兄ちゃん的な存在として慕われていたらいいな、と思い、少女に70を「お兄ちゃん」と呼ばせる事には結構こだわりました。
今回もセリフを考えるのが楽しかったです^^
本気という名の気まぐれ(^o^)
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