エレクトーン(特にELシリーズ&STAGEA)を(色んな方向から)愛してやまない管理人が、エレクトーンや音楽について色々と語っております。
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某所に別名で投稿した「エレクトーン擬人化」の小説です。
※長いので、何回かに分けて投稿します
個人の勝手なイメージで「もしもエレクトーンが人間の姿をしていたら…」と考えたものであり、ヤマハ本社様及び関係者様とは一切関係ございません。
大丈夫!という方は、追記よりお楽しみいただければ幸いです…
※長いので、何回かに分けて投稿します
個人の勝手なイメージで「もしもエレクトーンが人間の姿をしていたら…」と考えたものであり、ヤマハ本社様及び関係者様とは一切関係ございません。
大丈夫!という方は、追記よりお楽しみいただければ幸いです…
*****
卒業の日。
厳粛な式を終え、時間も昼に近づいてきた頃、彼女は音楽室に来た。
EL-17の電源を入れる。
「…やぁ」
17が姿を現した。
彼女は静かに微笑んでうなずいた。
「…そのかっこう、まるでエレクトーンみたいだね!」
「あはは、そういえばそうかも」
彼女はその日、黒のパンツスーツを着ていた。
「…最後に、あんたに会っておこうと思って」
彼女がそう言ったあと、少しだけ沈黙が流れた。
「式は無事終わったの?」
「うん、何とか終わったよー。もうあんな堅苦しい式なんかこりごりだよ…。ま、4月からはそういうのはなくなって自由になれるけどね!」
彼女は、4月から自由な校風の学校への進学を決めていた。
「…本当に、あんたがいたからここまでやってこれたよ。あんたがいなかったら…下手したら退学になってたかもしれないし。あんたはこの学校で初めて私を人間として扱ってくれたから…本当に、ありがとね」
彼女は言いながら、声をつまらせた。
「あの時は相当ぐれてたもんねぇ~」
「うるさい!」
17は2年とちょっと前を思い出しながら、しみじみと言った。
もちろん、17に悪気がない事は彼女も分かっている。
「…ねぇ、最後に僕で何か弾いてよ」
「そう言うと思って、ちゃんと考えてきたよ!」
彼女はEL-17本体のいすに座ると、音色をピアノに設定した。
そして、式で歌った曲の伴奏を弾き、初めて弾き語りをした。
ピアノの音色と彼女の歌声が音楽室に響く。
「――どう?」
彼女は演奏を終えると、17のほうを向いた。
「うん。ありがとう、…っ」
17の目から涙がこぼれた。
「ちょっ、あんたが泣いてどうすんの!?」
「そういう君だって、さっきから目がうるんでるよ!」
「うっ、うるさいなぁ…!」
彼らは2人して涙を流した。
「…君はさっき僕にありがとうって言ってくれたけど、僕だって同じだよ。この学校の中でエレクトーンをやる人も、僕がエレクトーンだって気づいてくれる人も少ないから、君が僕に気づいてくれた時、久しぶりにここでの弾き手ができて――ここで僕をエレクトーンとして見てくれる人ができて、本当に嬉しかったんだ。僕も、君には感謝の気持ちでいっぱいなんだよ。…本当に、ありがとう!」
17はそう言いながら彼女の手をとった。
「卒業しても、またここに遊びにきてくれる?」
「いや、それはないな」
彼女は即答した。
「えぇーそんなぁ…」
「だってうちに500があるし、別にこの学校も好きになったわけじゃないし、わざわざここに来る理由がないから…」
「…じゃあ、今の演奏が本当に最後だね…」
17が寂しそうに下を向いた。
彼女は17のその顔をじっと見た。
「…まぁ、でも」
やがて、彼女が口を開いた。
「…あんたの顔を見にだったら、ここに来てもいい、かな!」
「ほんと!?」
「うん。私が来ないと、あんたが元気なくしちゃいそうだからね。…元気じゃないあんたなんて、あんたらしくないから」
彼女は言いながら、目をそらした。
「じゃあ、これからもいつでも好きな時にここに遊びにきてよ!あ、もちろん――」
17が言いかけると、
「先生達には許可をとっておくから大丈夫、でしょ?」
彼女がこう言ってめくばせをした。
「そうそう!…もし遊びにきてくれたら、新しく入った子達にも演奏を聴かせてあげてよ」
17の言葉に、彼女は微笑みうなずいた。
「じゃあ…そろそろ、行くね」
やがて彼女はそう言って、ゆっくり手を離した。
「…あんたがいてくれて、本当によかったよ。今まで、本当にありがとう」
「僕のほうこそ、ありがとう!」
彼女は、EL-17本体の電源ボタンへ手を近づけた。
「それじゃあ…また、ね」
「…うん。またね!」
――EL-17の電源を切った彼女は、音楽室の電気を消すと、ドアをあけた。
(…またな!)
彼女は再びEL-17のほうを見、涙をこらえると、音楽室をあとにした。
後書き
今回の話は小学校の時に音楽室にEL-27がおいてあった事が元になっていますが、ELシリーズで一番下のEL-17のほうが擬人化設定的にも話を書きやすいと思ったので、17を登場させました。
学校でいやな思いをしてきた子が、音楽室のエレクトーンがきっかけでだんだん学校生活が楽しくなればいいじゃない!!と思い今回の話を考えました^^
かくいう私も小学校では色々あったけれど、この主人公ほどぐれてはいませんよ!^^;そしてこの子ほど能力もありません…
しかし主人公を生意気に書きすぎていないかひやひやです。汗
学校嫌いからくる生意気さだと思ってどうか許してあげて下さい…
この話を書いていて、エレクトーンの最大の武器はやっぱり3つの鍵盤なんだなぁ…と改めて思いました。
そして、楽器達も人間と同じように、自分の存在を認めてもらえるとやっぱり嬉しいんじゃないかな…
そんな事が伝わっていれば嬉しいです^^
卒業の日。
厳粛な式を終え、時間も昼に近づいてきた頃、彼女は音楽室に来た。
EL-17の電源を入れる。
「…やぁ」
17が姿を現した。
彼女は静かに微笑んでうなずいた。
「…そのかっこう、まるでエレクトーンみたいだね!」
「あはは、そういえばそうかも」
彼女はその日、黒のパンツスーツを着ていた。
「…最後に、あんたに会っておこうと思って」
彼女がそう言ったあと、少しだけ沈黙が流れた。
「式は無事終わったの?」
「うん、何とか終わったよー。もうあんな堅苦しい式なんかこりごりだよ…。ま、4月からはそういうのはなくなって自由になれるけどね!」
彼女は、4月から自由な校風の学校への進学を決めていた。
「…本当に、あんたがいたからここまでやってこれたよ。あんたがいなかったら…下手したら退学になってたかもしれないし。あんたはこの学校で初めて私を人間として扱ってくれたから…本当に、ありがとね」
彼女は言いながら、声をつまらせた。
「あの時は相当ぐれてたもんねぇ~」
「うるさい!」
17は2年とちょっと前を思い出しながら、しみじみと言った。
もちろん、17に悪気がない事は彼女も分かっている。
「…ねぇ、最後に僕で何か弾いてよ」
「そう言うと思って、ちゃんと考えてきたよ!」
彼女はEL-17本体のいすに座ると、音色をピアノに設定した。
そして、式で歌った曲の伴奏を弾き、初めて弾き語りをした。
ピアノの音色と彼女の歌声が音楽室に響く。
「――どう?」
彼女は演奏を終えると、17のほうを向いた。
「うん。ありがとう、…っ」
17の目から涙がこぼれた。
「ちょっ、あんたが泣いてどうすんの!?」
「そういう君だって、さっきから目がうるんでるよ!」
「うっ、うるさいなぁ…!」
彼らは2人して涙を流した。
「…君はさっき僕にありがとうって言ってくれたけど、僕だって同じだよ。この学校の中でエレクトーンをやる人も、僕がエレクトーンだって気づいてくれる人も少ないから、君が僕に気づいてくれた時、久しぶりにここでの弾き手ができて――ここで僕をエレクトーンとして見てくれる人ができて、本当に嬉しかったんだ。僕も、君には感謝の気持ちでいっぱいなんだよ。…本当に、ありがとう!」
17はそう言いながら彼女の手をとった。
「卒業しても、またここに遊びにきてくれる?」
「いや、それはないな」
彼女は即答した。
「えぇーそんなぁ…」
「だってうちに500があるし、別にこの学校も好きになったわけじゃないし、わざわざここに来る理由がないから…」
「…じゃあ、今の演奏が本当に最後だね…」
17が寂しそうに下を向いた。
彼女は17のその顔をじっと見た。
「…まぁ、でも」
やがて、彼女が口を開いた。
「…あんたの顔を見にだったら、ここに来てもいい、かな!」
「ほんと!?」
「うん。私が来ないと、あんたが元気なくしちゃいそうだからね。…元気じゃないあんたなんて、あんたらしくないから」
彼女は言いながら、目をそらした。
「じゃあ、これからもいつでも好きな時にここに遊びにきてよ!あ、もちろん――」
17が言いかけると、
「先生達には許可をとっておくから大丈夫、でしょ?」
彼女がこう言ってめくばせをした。
「そうそう!…もし遊びにきてくれたら、新しく入った子達にも演奏を聴かせてあげてよ」
17の言葉に、彼女は微笑みうなずいた。
「じゃあ…そろそろ、行くね」
やがて彼女はそう言って、ゆっくり手を離した。
「…あんたがいてくれて、本当によかったよ。今まで、本当にありがとう」
「僕のほうこそ、ありがとう!」
彼女は、EL-17本体の電源ボタンへ手を近づけた。
「それじゃあ…また、ね」
「…うん。またね!」
――EL-17の電源を切った彼女は、音楽室の電気を消すと、ドアをあけた。
(…またな!)
彼女は再びEL-17のほうを見、涙をこらえると、音楽室をあとにした。
後書き
今回の話は小学校の時に音楽室にEL-27がおいてあった事が元になっていますが、ELシリーズで一番下のEL-17のほうが擬人化設定的にも話を書きやすいと思ったので、17を登場させました。
学校でいやな思いをしてきた子が、音楽室のエレクトーンがきっかけでだんだん学校生活が楽しくなればいいじゃない!!と思い今回の話を考えました^^
かくいう私も小学校では色々あったけれど、この主人公ほどぐれてはいませんよ!^^;そしてこの子ほど能力もありません…
しかし主人公を生意気に書きすぎていないかひやひやです。汗
学校嫌いからくる生意気さだと思ってどうか許してあげて下さい…
この話を書いていて、エレクトーンの最大の武器はやっぱり3つの鍵盤なんだなぁ…と改めて思いました。
そして、楽器達も人間と同じように、自分の存在を認めてもらえるとやっぱり嬉しいんじゃないかな…
そんな事が伝わっていれば嬉しいです^^
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本気という名の気まぐれ(^o^)
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